暗渠の上に佇む区境の公園、龍閑児童遊園(日本橋小伝馬町)

2020.08.19
文、撮影:山下信治
中央区を取り巻く深刻な領土問題を扱う今回の企画、中央区民マガジンで最もシリアスなコーナーです。問題の場所は千代田区との区境にある「龍閑児童遊園」。かつて竜閑川という川があり両区で激しい戦いが繰り広げられたとのこと。和睦の際に友好の誓いとして設置された児童遊園です。(この段落は全て作り話です)

冗談はさておき、
龍閑児童遊園は中央区の北側、日本橋小伝馬町の竹森神社の北側にあり千代田区との区境です。
児童遊園として整備されていますが子供が遊んでいるのを見たことがありません。どちらかというとサラリーマンやタクシー運転手の休憩場所として親しまれています。

竹森神社側から公園に入るとこんな風景です。いつも休憩中のサラリーマンで溢れているので最新の注意を払って撮影いたしました。

児童遊園なのですが遊具は平均台のみと少し寂しい。ボール遊びも花火も禁止です。公園と児童遊園の境目は何なのでしょうか。
広場の他に庭園のような意匠もありますが水は流れていません。
ちょうどこの部分が昔は竜閑川だったようです。奥には綺麗に整備された公衆便所もあります。

逆側の門を抜けると赤い自転車、コミュニティサイクルのポートが設置されています。編集長が自転車で取材に行くときはここで借りることが多いです。どうでもいい情報ですね。

逆側の入り口。…千代田区?

区境というより区を跨っていた

そうなのです。龍閑児童遊園は公園の中に区境があるのです。
地図でみるとこんな感じ。ピンクの線が区境です。

道の真ん中ではなく若干南側に境界線があるとのこと。

中央区側は「龍閑児童遊園」。
千代田区側は「龍閑児童公園」。
厳密には跨いでいるのではなく、2つの別の公園が隣接していることになるのでしょう。

こんな感じ。

別の角度から。

実際は明確な仕切りはなく、2つを合わせて一つの公園として機能しています。

ほとんど千代田区の気が…

とはいえ、区境を意識して両側を見回してみると公園の主要機能はほぼ千代田区側にあります。

公衆便所もゴミ箱もサイクルポートも唯一の遊具、平均台も千代田区の管轄。
ゴミを捨ててもトイレに行っても平均台で遊びまくっても中央区の財政には影響ありません。

一方、水飲み場は中央区の管轄になります。
少し不公平な感じもしますがそういった負担は案分しているんでしょうか。

暗渠は歴史ロマンあふれる場所

龍閑児童遊園は、日本橋川から掘り進めてきた竜閑川と、隅田川(正確には箱崎川)から掘り進めてきた浜町川がちょうどぶつかった場所です。日本橋川と隅田川を結ぶラインとして結構な船の往来があったそうです。

裏手にまわると浜町川暗渠が見通せます

戦後に竜閑川も浜町川も埋め立てられ暗渠となりましたが、大きく分断されることもなく現在も日本橋川から隅田川までたどることができます。この暗渠は街歩きとしても人気があり歴史ネタの宝庫です。

オンライン上でも現在の地図と古地図を合わせて見れるサービスもあるので参考にしてください。

正式に区役所に話を聞きたい

公園機能のほとんどは千代田区側が担っていると言える龍閑児童遊園ですが、まだまだ知りたいことはたくさんあります。

  • 開園時はどのように分担したのか?
  • 掃除や整備は現在どうしているのか?
  • 正確な区境のライン教えて…など

改めて両区の担当部署にお話しを聞きたいと思います。乞うご期待!!

出だしで紛争問題的な書き方をしましたが、せっかくなので「勝ったら10センチ区境移動」みたいなネタ、区役所や町会でやらないでしょうか…

山下信治 (編集長)

中央区民マガジン編集長。その割に中央区に住み始めて10年程度の新参者。BABYMETALとコリドラスが心の拠り所。東京都板橋区出身。