食べることが大好きなアンちゃんが、みつ屋という和菓子屋の百貨店の店舗で働きながら和菓子や周りの人たちと触れ合うことで成長していく温かいミステリー。

豆大福やお饅頭などお馴染みの和菓子から珍しい上生菓子まで登場する、和菓子好きさんにはたまらない作品です。

作中には四季折々の上生菓子が登場し、見事な描写から実際に食べてみたいと思う人も続出。

ご自身も作品のファンである佐藤屋の八代目が大胆にもそれらを再現！珠玉の上生菓子からいくつかご紹介。

桃色の外郎製「光琳菊」。

和菓子の意匠として、尾形光琳が描いた光琳菊という中心に黄色い芯を添えたお饅頭や上生菓子があるのですが芯は見当たらず。

むしろ笑ってる口…？

それが作中にて、本当にそう描かれているからびっくり！

もっちりとした外郎とさらりとした白餡、その中に潜む乃し梅は佐藤屋さんならでは。「おいしい」遊び心満載です！

「紫陽花」は爽やかな水色の錦玉を纏い、中餡は蜂蜜餡。錦玉にはほんのりと柚子が効いているのですが、蜂蜜餡が引き立つような優しい仕上がり。

爽やかな見た目と裏腹にこっくりとした口当たりなので、檸檬の炭酸水や珈琲、お酒にも合いそうです。

王道の薯蕷饅頭は「みつ屋」の焼き印入り！

山芋と米粉のふくよかな香りを宿したふわふわの生地にはたっぷりのこし餡。ほっとする和菓子です。