中央区民マガジン

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お茶とワインで心も体もひと休み!「ちんがりまんがり」(築地二丁目)(1/2ページ)

~ 2023年1月オープンの築地の新たなオアシス ~

2023.03.07
文、撮影:柳谷 ナオ
気が付けば私たちの傍らに存在しているお茶。コンビニやスーパーでも、緑茶やほうじ茶だけでも多くの商品が陳列されている程、身近な飲み物ですよね。
今回は、お茶が持つ癒しや親しみやすさの要素はそのままに、新しい可能性も提供してくれるお店、2023年1月に築地にオープンした「自然製法茶研究会 ちんがりまんがり」さんをご紹介します。(1/2ページ)

東京メトロ日比谷線「築地」駅の2番出口と4番出口の真ん中あたりにお店を構える「自然製法茶研究会 ちんがりまんがり」さん。

こちらは「うおがし銘茶」さんの製茶工場・つきまさ静岡工場の直営店舗として2023年1月にオープンなさいました。工場は静岡県島田市にあります。

外壁には「自然製法研究会 ちんがりまんがり」の看板が。
このなんともいえない蛙さん、どこかで見覚えがありませんか…?その答えはまた後程。

重厚感漂う階段を上って2階へ。エレベーターも用意されています。

シックな階段とは異なり、一気に解放感と温もりが出迎えてくれるような空間が広がり、思わず「わあっ」と声を上げてしまいました。

木目の色合いや表情の違いによるアースカラーのグラデーションが効果的に配された店内には、よく見ると珍しい形の椅子や茶器といったセンスがキラリ。中でも注目したいのが、ひときわ存在感を放つ一枚板のテーブル!

200年を優に超えるトチノキの根本に近い部分の自然な形。こちらは長野県木曽郡より運んでいらしたとか。ずっしりしているのにどこか柔らかさも感じられる質感。中央区にはたくさんの老舗がありますが、そのお店と同じくらい、あるいはそれ以前の時代から存在していると思うと圧倒されます。

店内では茶器やお茶の販売もしており、すでに売約済の品物もちらほら。人気の高さと信頼の厚さを実感しました。

自然製法茶とは

店名にも入っている自然製法茶。それは、自然栽培されたお茶の葉から作られたお茶ということです。

自然栽培とは、諸説ありますが無農薬・無化学肥料の畑で作物を育てるということ。自生を想像していただければわかりやすいかと思います。そのためには、長い月日をかけて土壌から整え、ある程度安定して収穫されるようになるまで環境を改良しなければならず、収穫量も非常に少ないというデメリットがあります。

ですが、植物そのものの力がより発揮され、味わいにも差が出ることが多いということで近年注目がされています。

それでは早速、お店のコースをご紹介!

ワイン+自然製法茶(2種類)のコースとなっており1杯ずつ順番に提供されます。価格は2000円。今後、ワインの代わりに抹茶等のコースも検討していて、その場合はもう少し低価格になる予定だとか。

1杯目は「CHABLIS PREMIER CRU(シャブリプルミエクリュ) 2018」という白ワイン。こちらは酸化防止剤などの添加物を一切使用せずにボトリングしたという希少なワイン。フランスのシャブリ地区の中でも、一級畑に指定される選抜された畑から収穫された葡萄で作られる逸品。

葡萄の「良い香り」が一気に鼻腔へと飛び込んできます。どこか爽やかさも見え隠れする馥郁たる果実らしい香しさ。
心地よい刺激を鼻腔に残したまま一口含むと、丸みを帯びた旨味のような舌触りが。不自然な刺激もなく、非常に飲みやすい白ワインです。

こちらのワイングラスにも拘りが。あえて間口の広いワイングラスにすることで、香りを堪能していただきたいとのこと。

ワインのアクセントにはこちらも添加物不使用の美味しいいぶりがっこを一緒に。

ふわふわとほんのり浮足立つような気分で迎えた2杯目は、こちらも自然製法で仕上げられたほうじ茶「焦がして候」。

こんなに澄んだ黄金色のほうじ茶、なかなかお目にかかることはないのでは…!そしてほうじ茶をワイングラスでいただくという発想が今までなかったので、初体験!

冷え込む季節になると、コンビニで温かいほうじ茶のペットボトルを購入したり、目にする機会が増えるのではないでしょうか。私もそのひとりなのですが、「焦がして候」は明らかに色味が違います。

受け継がれてきた技術で釜煎りされたほうじ茶は非常にふくよかで軽やか。頬の内側がきゅーっと締まるような感覚もないので、ぐびぐびっと飲めてしまいそう。
かといって味わいが薄い、物足りないというわけではなく、確かな香りと旨味の層が広がります。

食事と一緒に供されても、存在感が損なわれることなく楽しめそうです。
正しい入れ方を守れば、このように美しいお茶を自宅でも飲むことができるとのこと。
水出しの場合は1時間程度で十分美味しく飲むことができるそうです。(お店でいただいたものは一晩。)
ホットの場合は、熱湯でさっと淹れるのがベストだとか。

ラストの3杯目は、店名にもなっている「ちんがりまんがり」を。

ほんのり霞かかった色合いは、うららかな春の野原のよう。先述の焦がして候と同様、黄金色を帯びた黄緑色。

ほっと肩の力が抜けるような甘美な香りを吸い込んでまずひとくち。

いわゆる渋みや苦味は一切感じられず、味わいの入口から旨味がじわじわと広がっていきます。甘味とお出汁のような滋味深い心地良さから、呑み込んだあと思わず深い深呼吸をしてしまうほど。けれど、お茶がもつ清涼感も余韻として口の中に留まってくれるので、もうひとくち、もうひとくちと進みます。

この日お茶と一緒にいただいたのは、築地2丁目にお店を構える「天まめ」さんの粒あん。お昼前には商品が売り切れてしまうこともあるほど天まめさんが一から作る寒天やあんこは大人気。
からだ想いのお茶とあんこに、すっかり心が揉み解されたような気分です。

これで終了かと思いきや、最後にもう1つ。

ちんがりまんがりの枝のお茶、「ぼーの・ぼーの」です。葉でも茎でもなく、枝です。

これがまたすごく美味しい!べっこう色のお茶は深い甘味が特徴的で、まさに最後の締めくくりにぴったりな口当たり。
麦茶などの穀物系のお茶がお好きな方はきっとお気に入りになるかと思います。癖もなく、2杯目、3杯目と濃度が増してきても渋みはゼロ。

こちらも人気商品なのですが、大量生産が難しく少量しか販売できないとのこと。希少なお茶をいただきました。

ワインやお茶を入れてくださった小塩さん

(1/2):お茶とワインで心も体もひと休み「ちんがりまんがり」 ←NOW!

(2/2):ちんがりまんがりに込められた意味

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柳谷 ナオ (区民ライター)

甘いものがなくちゃ始まらない! 中央区と和菓子とあんこが大好きな1児の母。 老舗から新参店まで、色んな和菓子と触れ合いたい。 好きな言葉は「あんこ」「もちもち」

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