公益財団法人日本宇宙少年団（YAC）は1986年に創立され、前理事長は松本零士氏で現在の理事長は宇宙飛行士の山崎直子さん。JAXAの宇宙飛行士全員が大使を務める由緒ただしき団体です。今まで延べ2万人以上の団員を送りだしたそうです。

日本橋分団の団長を務めるのは日テレNEWS24でおなじみ榎本麗美さん。榎本さんは宇宙キャスターを商標登録する程の宇宙好き。イベント前から楽しそうに来場者と宇宙トークをしていました。

今回の舞台はコレド日本橋室町テラス2階の誠品生活のイベントスペース。ソーシャルディスタンスのため14名の現地観覧者 + オンライン配信での開催です。

司会は団長の榎本さんと「宇宙おじさん」ことJAXAの岩本裕之さん。絶妙な掛け合いで暖かい会場を作り出していました。

イベントは「はやぶさ2」のプロジェクトマネージャー津⽥雄⼀さんのお話を軸に進行。現場の人間にしか分からない裏話や会場の子供達への質問を交え、軽妙に進んでいきます。

津田さん：「どこから宇宙っていうか知ってる？」
子供達：「100kmから！（即答）」

…大人も知らないですよね。さも常識のように答えていました。しかも複数人。
日本の未来も安泰です。

はやぶさ2の宇宙旅行に沿った形で進行したのですが大人が聞いても面白い。途中から取材や撮影とかどうでもよくなって僕自身が楽しんでいたのはここだけの話。質問したかった…。

それもそのはずで当日の資料はフリガナ等を変えただけで、大人向けに講演したものと基本的に同じだそうです。
ホンモノを前にすれば大人も子供も関係ないですね。

リアルタイム配信だけで今のところアーカイブは確認できませんが、今後、内容が一般公開されるかは問い合わせ中です。

質問タイムでは会場からに加えオンライン配信のコメントからの質問に対し、津田さんと岩本さんが回答。はやぶさ2のエンジンの燃料のようなマニアックな問いから小惑星に残されたロボット達の行く末を心配する内容など多種多様。そんな中で印象的だったのがこの質問。

はやぶさ2は予定にはなかった追加実験や調査を小惑星でたくさん行い、現在も別の小惑星に向けて調査活動中なのですが、
「追加プランはどの段階から計画していたのですか？（意訳）」

この子の中では「夢」ではなく、現実的な「目標」として宇宙開発が設定されているのではないでしょうか。もう一回いいます。
日本の未来も安泰です。

日本宇宙少年団は「宇宙のホンモノ」を題材とした体験・学習の場とのことで、宇宙飛行士や宇宙開発を夢見る子供達には格好の学び舎。

子供達に夢を与える、宇宙を体感させるという楽しさや意図は120％伝わってきました。キラキラした眼差しと熱意はプライスレス。今までの取材でも一二を争う楽しいイベントだったかも。

今回は「体験」を主眼に置いていたため、分団の活動や要項はイマイチ具体的には分からなかったのは正直なところです。その辺を踏まえ中央区民マガジンとして個別取材を申し込みました。

「子供達への想い」「実際にどんなことをするの？」など密着取材します。実はイベントの中で「なぜ日本橋？」という部分には軽く触れられていましたが、その辺りも深く掘り下げたいと思います。
お楽しみに。