中央区民マガジン

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銀座ミツバチプロジェクトの採蜜作業現場に潜入!

~ ミツバチが中央区の環境と生態系を守る! 小さなローカルヒーロー ~

2021.05.31
文、撮影:ユキイデ
「銀座ミツバチプロジェクト」はご存知でしょうか?2006年より銀座のビルの屋上を緑化してミツバチを飼い、採れたはちみつを商品化するプロジェクトで、通称「銀ぱち」と呼ばれています。16年目となる現在では年間1トン以上のはちみつを産出しているそうです。
ビルの屋上での採蜜はいったいどの様に行われているのか? 5/22(土)に行われた採蜜作業に密着しましたので、その模様をお伝えします。

6/1(火)まで開催中!松屋銀座「銀座はちみつフェア」

銀ぱちの採蜜作業現場に潜入!

採蜜が行われる紙パルプ会館(銀座三丁目)

現在銀座には養蜂場が3ヵ所あるらしく、今回は松屋通り沿いにある紙パルプ会館(11階建て)の屋上へ見学に行きました。

朝礼の様子

朝8:30過ぎ、ボランティアを含むプロジェクトのメンバーが集まり朝礼開始。
メンバーの中に先日取材に行ったばかりの三笠会館の広報、堀田さんもいました。思わぬ再会にビックリ。これもミツバチが繋いでくれた縁かもしれません。
朝礼では、プロジェクト理事長の田中淳夫さんがひと通り本日の採蜜作業のスケジュールを説明。最後に「事故のないように」とメンバー全員に呼びかけました。

巣箱からミツバチが飛び交う

ミツバチを燻煙器でおとなしくさせながら、巣箱から優しく巣板を取り出します。
編集部ユキイデはこれほど近くで見学するのは初めて。刺されないか少し不安でしたが、メンバーの皆さまから「ミツバチは可愛いですよ。急に刺してきたりはしません。振り払ったり、急に走ったりして刺激すると機嫌が悪くなってしまう。」というアドバイスを受けました。その言葉で不安が薄まり、一生懸命のミツバチの姿を見ていると、とても愛しく感じてきました。

糖度計で糖度を計測

巣箱から巣板を取り出すと、はちみつの糖度を計測します。はちみつは糖度の最低値が決まっており、78度。この基準にならないと「はちみつ」と呼べません。銀ぱちのはちみつは糖度が高く82~83度以上になることも!まだ糖度が低いはちみつは、再び巣箱に戻して完熟を待ちます。とても地道な作業です。

一生懸命働くミツバチ

「女王バチを見つけられますか?」というクイズを出されましたが、とても難解。身体が大きいものが女王バチ。かなりじっくり見ないと見つかりません。
このミツバチ達が周辺3kmを飛び回り、農薬の使われていない銀座の街路樹の花などから蜜を集めます。コロナで一時期銀座の表通りから人がほとんどいなくなったのに、ミツバチ達は元気に銀座を飛び回り、自然環境を整えてくれていた…。一生懸命動くミツバチになんだかパワーを貰いました。

続いて蜜蓋を剥がす作業

巣には蜜蓋というフタがされている部分があります。蜜蓋がされたままだと蜜が出てこないので、専用の蜜刀で削ぎ落とす作業を行います。蜜刀はお湯で温められており、高温の熱で蜜蓋を剥がしやすくする工夫がされていました。

遠心分離器の中は はちみつがいっぱい!

蜜蓋を綺麗に取り終えたら、いよいよ遠心分離器に入れます。回転の遠心力でドラム缶の中にはちみつを飛ばし、しばらくすると甘い香りとともにトロッとしたはちみつが流れ出てきます。
一連の様子を動画でも撮影したのでぜひご覧ください。

採蜜したはちみつは残念ながら試食できなかったのですが、メンバーの方による味の解説をいただきました。
「今月のはちみつはさっぱりとキレのある甘さです。銀座のはちみつは週替わりで味も香りも色も変わってくるんですよ。今はクロガネモチの蜜が入ってきているようで、さわやかさも感じます。ぜひ銀座周辺に咲く花々の百花蜜を楽しんでもらえればと思います!」

ミツバチは中央区の環境と生態系を守るローカルヒーロー

花粉が沢山ついたミツバチ

都心の銀座で養蜂!?と驚く人が多いかもしれませんが、実は銀座周辺は花や緑がとても豊富。ビルの屋上から出発したミツバチは、日比谷公園、皇居、浜離宮まで飛んでいくのだとか。ミツバチが受粉を行い、蜜を吸う事で樹木や草花は元気になります。中央区の自然は、銀ぱちのミツバチが整え、支えてくれているのです。

銀ぱち理事長の田中淳夫さん

田中さんによると、ツバメがミツバチを捕食しに来ることがある、とのこと。
せっかく育てたミツバチが食べられるなんて…と、悲しい気持ちになってしまいますが、田中さんはこう続けました。
「複雑だけど、こうして食物連鎖が起きているのは良い事だと思います。昔は銀座にツバメの巣が多くあったそうです。それが再開発やビルの建て替えなどで減ってしまった。銀ぱちの活動をし始めた時から徐々にツバメの巣がまた増えてきている。ここのミツバチが呼び戻したのだと思います。」

銀座上空でこんな食物連鎖が起きているなんて驚きでした。そして、ツバメにとっての天敵のカラスはミツバチに弱いという話もあります。ミツバチは黒いカラスを集団で追いかけるのだとか。銀座のミツバチ、ツバメ、カラス。街の見方が変わりますね。

採蜜したはちみつと一緒に記念写真!

銀座ミツバチプロジェクトのはちみつを使用した松屋銀座の「銀座はちみつフェア」。地産地消、そして地域活性化にもなる中央区が誇る素晴らしい事だと思います。
帰り道、ふと銀座の街路樹の花が目に入った時、ミツバチさん来てないかな?と探してしまいました。
銀座はKK線上部空間「東京スカイコリドー」計画や、築地川アメニティ整備構想など、将来に向けて大きな緑化の動きが進んでいます。これらが完成したころ、ミツバチにとってより住みやすい環境になるかもしれません。
田中さんによると、ドイツではとても養蜂が盛んで、公園や色んな施設に巣箱があり、州によってはミツバチを殺すと法律で罰せられるということもあるらしいです。中央区も銀座だけでなく、色んな場所で当たり前のようにミツバチの巣箱があり、それを子ども達が見学・体験し学習する。そんな楽しくて面白い環境がぜひ整って欲しいと思います。

銀座ミツバチプロジェクト
https://gin-pachi.jp/
NPO法人銀座ミツバチプロジェクトではサポーターを募集しています。企業・お店などの団体だけでなく個人でも可能です。詳しくは銀ぱちのホームページより直接お問合せください。

YouTubeチャンネル「ミツバチ博士ふくちゃん」
https://www.youtube.com/channel/UCU8pbrYl-YZsqGhdRrzHe4Q
「ミツバチ博士ふくちゃん」が採蜜の様子や、養蜂道具の説明、ミツバチに関する色んな情報を動画配信中です。


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ユキイデ (編集部)

2006年から日本橋エリアに住み始める。 南大阪生まれの巨漢。デスメタルが大好き。 おばあちゃん子。

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