帯状疱疹の症状は、身体の左右どちらか一方にピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気。水ぼうそうに罹ったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに約3人に1人が発症するとも言われています。そして痛みが継続する後遺症「帯状疱疹後神経痛」がまれに起こることがあり、専門の医療機関で適切な治療が必要となります。
(参考資料:パンフレット「帯状疱疹こんな病気」提供:マルホ株式会社、 監修:東京女子医科大学 川島名誉教授)
~ 最近どうして増えている?どちらのワクチンを選ぶべき? ~
症状の経過(画像提供:ひふのクリニック人形町)
帯状疱疹の症状は、身体の左右どちらか一方にピリピリと刺すような痛みと、これに続いて赤い斑点と小さな水ぶくれが帯状にあらわれる病気。水ぼうそうに罹ったことのある人なら、誰でも帯状疱疹になる可能性があり、80歳までに約3人に1人が発症するとも言われています。そして痛みが継続する後遺症「帯状疱疹後神経痛」がまれに起こることがあり、専門の医療機関で適切な治療が必要となります。
(参考資料:パンフレット「帯状疱疹こんな病気」提供:マルホ株式会社、 監修:東京女子医科大学 川島名誉教授)
ひふのクリニック人形町 上出良一院長
ひふのクリニック人形町は、人形町通りに面するビルに2014年開業。アトピーや光線過敏症など皮ふの悩みを気軽に相談できるクリニックです。ふだんから帯状疱疹の患者さんがよく来院されているらしいのですが、ここ最近その数が増えていると語る上出院長。その理由を詳しく聞いてみました。
上出院長
「まず帯状疱疹の原因というのは、実は水ぼうそうのウイルスなのです。水ぼうそうが治った後もウイルスは長い間、体内の「神経節」というところに潜伏しています。これを潜伏感染と言って、ふだんは免疫によってウイルスの活動が抑えられています。しかし、加齢・疲労・ストレス、それからご病気などで免疫が落ちるお薬を飲んだりして、免疫が低下するとウイルスが再び暴れ出しちゃうのです。その結果、痛みを伴う帯状疱疹が現れるのです。」
画像:ひふのクリニック人形町YouTubeチャンネルより
上出院長によると、子どものころに水ぼうそうにかかることが多い日本人の成人では、90%以上が体内に帯状疱疹の原因となるウイルスが潜んでいる、とのこと。
でもどうしてここ最近増えているのでしょうか?まさかストレス社会が深刻化したのでしょうか?
上出院長
「皆さんのストレスが高まった…コロナもありますし、それもあるかもしれませんね。でもここ数年の帯状疱疹の増加には明確な原因がありまして、2014年に子どもへの水ぼうそうワクチンの定期接種が始まったからなのです。」
出展:国立感染症ホームページ/帯状疱疹大規模疫学調査「宮崎スタディ(1997-2017)」アップデート
確かにグラフを見ると2014年から急激に増えています。
でも、予防接種で原因のウイルスが減るはずなので、帯状疱疹に罹る人の数も減るのでは…?なぜなのか理由を聞いてみました。
上出院長
「これまで子どもたちの間で水ぼうそうの流行が毎年繰り返されていたので、そこから大人も追加免疫を得ていました。それが定期接種が始まり、水ぼうそうにかかる子どもが激減。その結果、大人の免疫も強化されず、小さな子どもの親世代である20~40代の帯状疱疹の発症率が上がっていると言われています。」
なるほど、水ぼうそうの定期接種が始まったことにより大人が割を食うかたちになってしまった、ということなのです。出生率23区ナンバーワンの中央区。ちょうどどストライクの年代が多いのでこれはスルーできない問題です。
対象となるのは…
・50歳以上
・中央区に住民登録がある方
・これまでに公費による帯状疱疹ワクチン接種費用の助成を受けたことがない方
帯状疱疹ワクチンは保険が適用されず基本的に自費なのですが、中央区では4月1日から約半額の費用助成が始まりました。ためしに区のホームページから申請書をダウンロードして確認してみると、「生ワクチン」「不活化ワクチン」の2つのワクチンを選べるようです。どちらかを選ばなくてはいけないのですが、区のホームページには詳細の記載がなく、ちんぷんかんぷんです。上出院長に効果と違いを聞いてみました。
上出院長
「まず50歳以上なのは、その年齢あたりから免疫が下がってくるのと、発症する方が統計として多いからです。」
画像提供:ひふのクリニック人形町
上出院長
「比較表をご覧ください。不活化ワクチンのほうが新しいワクチンで効果が高いのですが料金も高額です。且つ、コロナワクチンのような副反応が出る場合が多いです。一方、生ワクチンは接種料が安いのですが不活化ワクチンより有効性が低いのです。高額になってしまいますが、接種するとほぼ帯状疱疹にかからないことが期待できますので、当クリニックでは不活化ワクチンをオススメしています。ただ、これは皆さんのご判断だと思います。」
※ひふのクリニック人形町では有効性の高い不活化ワクチン(シングリックス)のみ対応しているとのこと
「今日ワクチン打ちたいのだけど…」と、思い立ってすぐ病院に行っても助成されません。予め申請書を保健所に提出し、予診票を貰わなければ助成されませんのでお気を付けください。
2通りの方法があるので下記を参考にしてください。
①郵送の場合
区のホームページから「申請書」をダウンロードし必要事項記入、保健所へ郵送
↓
約1週間後、自宅に「予診票」が届く
↓
かかりつけ医へ連絡し「予診票」持参、ワクチン接種
②窓口の場合
中央区保健所、日本橋・月島保健センターのいずれかに訪れ、「申請書」を記入して提出
↓
その場で「予診票」をもらえる
↓
かかりつけ医へ連絡し「予診票」持参、ワクチン接種
という流れです。コロナワクチンのように対象者全員に郵便が届くわけではありませんのでご注意ください。
中央区でワクチンの助成が始まったのですが、区のお知らせちゅうおうでもまだ掲載されておらず(2023年4月14日現在)、区のホームぺージに記載されているだけなので、まだ知らない人が多いかと思います。
50歳以上が対象ですが若い世代の発症も多いので、対象でない方も決して対岸の火事とは思わず、知識として把握しておくべきかと思います。もしご家族やお友達で対象だと思われる方がいたらぜひお声がけしてみてください。
そして上出院長曰く、「帯状疱疹は痛くてつらい病気ですが、いまは良い抗ウイルス薬や治療法がありますので、正しく恐れるべきです。いたずらに怖がらず、まずはワクチンをご検討してみてください。」とのことでした。
監修:ひふのクリニック人形町
住所 中央区日本橋人形町2-2-3 アライヴ人形町3F
電話 03-6661-1276
診療時間 10時~13時、15時~18時
休診日 土曜午後、水曜・日曜・祝日
ひふのクリニック人形町ホームページ
より詳しい解説は「ひふのクリニック人形町YouTubeチャンネル」にて
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